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「いらっしゃいませ~」
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「いらっしゃったぜ、ナナシの兄ちゃん」
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「いらっしゃったの」
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「おや、利発そうな子どもたちだと思ったら、淳君と雫ちゃんじゃないですか~
って、勇さんはご一緒じゃないんですか?」 |
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「うん、オレたちだけだよ」
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「となると、今日は何も買っていただけないので?
その場合は2人をつまみ出すことになりますが……」 |
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「何か買うかどうかは、ナナシの兄ちゃん次第だって」
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「どういうことですか?」
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「ナナシの兄ちゃんに聞きたいことがあってさ、答えてくれるなら何か買っちゃうかも」
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「ナナシのお兄ちゃんの、好きなものと嫌いなものを教えて欲しいの」
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「好きなものと嫌いないもの、ですか?」
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「そうそう、好きなものは聞かなくても分かるんだけどさ」
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「でしょうね、僕の普段の態度から分かっちゃいますよね。
好きなものはもちろん、お客様の笑顔ですよ」 |
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「ナナシの兄ちゃん、ウソツキだな」
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「ウソツキングだね」
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「むむっ、力を使ったんですか?
感心しませんね」 |
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「あのさ、ナナシの兄ちゃんのこと知ってるなら、だれでもウソだと思うって」
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「信じられないの」
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「この前、ナナシの兄ちゃんにやられたって、ラーメン屋のおっちゃん泣きそうだったし」
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「きっと、うちの店の品物の良さに感動したんでしょう」
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「今月の『うりあげ』が、なくなっちゃったって言ってたよ?」
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「……まあ、ほんの少し値段に色はつけたかもしれませんが、すごい品物なのは確かですよ」
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「お客様の?」
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「笑顔?」
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「コホン、えっと嫌いなモノをお答えしてませんでしたね」
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「とはいえ、我ながら好き嫌いの激しい人間ですから、一つに絞るのは……」
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「なら例えばさ、嫌いな食べ物は?」
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「値段の高い食べ物は、遠慮したいですね」
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「苦手な季節は?」
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「冬や夏ですね。光熱費がかさみます」
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「苦手な動物は?」
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「特にいませんね……あっ、本当の虫じゃありませんが、金食い虫は苦手です」
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「と、自分で答えていても、やっぱり苦手なものが多いですね。
これだって答えられなくてすいません」 |
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「いや、ナナシの兄ちゃんさ」
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「凄く分かりやすいよ?」
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好きなものは、お客様の笑顔(疑わしい)。
嫌いなものは、必要以上の出費のようです。 |
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