第7回 『それぞれのキャラの、好きなもの嫌いなものは?(ナナシ編)』

「いらっしゃいませ~」
「いらっしゃったぜ、ナナシの兄ちゃん」
「いらっしゃったの」
「おや、利発そうな子どもたちだと思ったら、淳君と雫ちゃんじゃないですか~
って、勇さんはご一緒じゃないんですか?」
「うん、オレたちだけだよ」
「となると、今日は何も買っていただけないので?
その場合は2人をつまみ出すことになりますが……」
「何か買うかどうかは、ナナシの兄ちゃん次第だって」
「どういうことですか?」
「ナナシの兄ちゃんに聞きたいことがあってさ、答えてくれるなら何か買っちゃうかも」
「ナナシのお兄ちゃんの、好きなものと嫌いなものを教えて欲しいの」
「好きなものと嫌いないもの、ですか?」
「そうそう、好きなものは聞かなくても分かるんだけどさ」
「でしょうね、僕の普段の態度から分かっちゃいますよね。
好きなものはもちろん、お客様の笑顔ですよ」
「ナナシの兄ちゃん、ウソツキだな」
「ウソツキングだね」
「むむっ、力を使ったんですか?
感心しませんね」
「あのさ、ナナシの兄ちゃんのこと知ってるなら、だれでもウソだと思うって」
「信じられないの」
「この前、ナナシの兄ちゃんにやられたって、ラーメン屋のおっちゃん泣きそうだったし」
「きっと、うちの店の品物の良さに感動したんでしょう」
「今月の『うりあげ』が、なくなっちゃったって言ってたよ?」
「……まあ、ほんの少し値段に色はつけたかもしれませんが、すごい品物なのは確かですよ」
「お客様の?」
「笑顔?」
「コホン、えっと嫌いなモノをお答えしてませんでしたね」
「とはいえ、我ながら好き嫌いの激しい人間ですから、一つに絞るのは……」
「なら例えばさ、嫌いな食べ物は?」
「値段の高い食べ物は、遠慮したいですね」
「苦手な季節は?」
「冬や夏ですね。光熱費がかさみます」
「苦手な動物は?」
「特にいませんね……あっ、本当の虫じゃありませんが、金食い虫は苦手です」
「と、自分で答えていても、やっぱり苦手なものが多いですね。
これだって答えられなくてすいません」
「いや、ナナシの兄ちゃんさ」
「凄く分かりやすいよ?」
好きなものは、お客様の笑顔(疑わしい)。
嫌いなものは、必要以上の出費のようです。

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