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「オヤジさ……前から聞きたかったんだけど、むなしくならないのか?」
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「むなしくって何がよ?」
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「どれだけ料理を作っても、誰も食べてくれないわけだろ?」
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「いやいや、誰もってそんなこたぁねえよ。ウチにも常連客がいるからな」
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「はぁ、常連客って……辛すぎて幻覚まで見るようになったのかよ」
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「現実だよ!?
人をあわれんだ目でみるんじゃねぇよ!!」 |
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「鈴鳴さん、オヤッサンは嘘を言っていませんよ」
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「……マジでか?」
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「ええ、驚くべきことに」
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「別に驚くこっちゃねえだろうが、味ってのは人の好き好きだしよ?」
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「食べた人間が気絶するのは、味の好みの問題じゃないと思うぞ……」
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「ま、まあ、時代の最先端を行き過ぎてるのか、常連もそれほど多くはねえがな」
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「ふむ、精神と内蔵の鍛錬と思えば、あの料理にも価値があるんですかね……」
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「自発的に、この店の料理を食べるって、どんだけドMなのよ」
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「へへっ、まあ、嫉妬するなよ。自分の味覚がお子様で、ウチの料理の凄さが分からないからってよ」
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「もしも、そうなら俺は永遠に子どもでいるよ」
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「風の噂で常連客の存在は聞いていたのですが、具体的には何名ほどいらっしゃるので?」
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「えーと、少なくとも5人は結構な頻度で食べに来てくれるな」
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「……年に一度くらい?」
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「それは常連とは呼ばねえだろうがよ……」
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「では月に一度くらいですか?」
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「週に数回は来てくれるよ。一番多い奴は2日に一回は店に来るぜ」
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「おいオヤジ、テメェ!
その客のこと殺すつもりか!」 |
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「え、なんで、俺怒られてるの?」
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「だって、この店って開店してから一度も虫が出てないんだろ?」
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「そういえば、蚊や羽虫の類も見たことがありませんね……」
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「普通じゃないって。生物が吸っちゃ駄目な何かが出てるんだって」
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「それは店を綺麗にしてるからだ!」
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「ていうか、2日に一回食いにきてるのは、お前のところの上司だからな」
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「ほう、支部長ですか?」
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「おうよ」
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「見損なったぜオヤジ、どんな弱みを握ったんだ」
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「いやいや、単純に俺の店の味を気に入ってくれてるんだって!」
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「半年前に街で偶然会った時に、あの人の顔色が気になってたんだけど、そういうことか」
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「支部長には、今度人間ドックを勧めておきましょう」
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信じられないことに複数名存在するようです。
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