へいらっしゃい!
ってこんな時間に珍しいじゃねえか。子どもは家に帰る時間だぜ。 | |
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帰る途中でお店に来たの。
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ちょっと、オッチャンに相談があってさ。
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俺に相談?料理でも習いたいのか?
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そんなことしたら、兄ちゃんに怒られるって。
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お母さんにも怒られるの。
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いや、何で俺に料理の話を聞いただけで怒られるのよ!?
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相談っていうのはさ、兄ちゃんのことでさ。
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ってぇと、異形絡みかい。
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ううん、プライベートなお話。
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おっちゃんさ、兄ちゃんがいつも着てる服についてどう思う?
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ジュニアがいつも着てるって、制服じゃなくて私服ってことか?
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そうそう。
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……ま、まあ、何て言うか、いつも同じだな。
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うんうん。
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まあよぉ、アレはアレで意味のある恰好なんだぜ。
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そのまま戦闘に入ってもいいような一揃えなんだよ。例えば靴にも金属製の板が入ってるしな。
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でもさ、前に兄ちゃんに「カニの脱皮かよっ!?」って、言ってたじゃん。
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そりゃあ仕方ねえだろうが。
いつも同じ服じゃね?って聞いたら、自信満々で同じ服とズボンを5枚ずつ持ってます、ときたもんだ。 | |
それそれ、問題はそこなんだって。
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深刻な問題なの。
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問題って、若者としてはどうかと思うが。基本似合ってるし、人に迷惑をかけるでもなしいいんじゃねえの?
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ジュニアにとってユニフォームみたいなもんなんだろうぜ。
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はぁ……おっちゃんさぁ、ユニフォームを来てデートに出かける人間がどこにいるのさ。
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そりゃまあ、ゼロじゃねえだろうが珍し、ってデートォッ!?
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うん。
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って、デートォッ!
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そう。
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お、驚き過ぎて2回聞き直しちまったぜ……マジかよ、ジュニアがデートって。
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ニワトリが太平洋横断飛行するようなレベルの話だぜ。
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マジ。
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マジなの。学校のクラスメートなんだよね。
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オレたちも一緒で、4人で遊びに行くんだけどさ。
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あ、ああ二人っきりじゃねえのか……って、それでも凄いんだけどな。
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つまり、二人も顔を知ってる相手なのかい?
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うん。私たちも仲が良いお姉ちゃん。
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俺もだけど、雫とはすっげぇ仲良しかも。
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おいおい、ジュニアがプライベートで遊ぶうえに、雫とも仲がいいってどんな相手だよ……ん?
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……それってもしかして、緒川千春って女の子かい?
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うん。千春お姉ちゃん。
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オッチャン知ってるのか?
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おう、まあちょっとな、ジュニアから聞いたことがあってよ。
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兄ちゃん、よく姉ちゃんの話するしな。
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だよねぇ。
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それでさ、今回だけならいいんだけどさ、これからも姉ちゃんと兄ちゃんさ、遊びに行くと思うんだ。
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いっつも同じ服だと、お姉ちゃんがションボリするかもって。
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これからも遊びにってことは、ただの友だちじゃなくて、二人はそういうことなのか?
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まだ、って感じだよな?
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私たちがキューピッドなの。
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なるほど、どういうことか分かってきたぜ。
面白、ゲフン、年長者として兄想いの二人にちょいと協力しますかね。 | |
オッチャン、サンキュー。
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他の人にも相談する?
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それは、相談の内容次第だな。鈴鳴と久利辺りは役立つかもしれねぇしな。
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遅くなったら家まで送っていくからよ、もうちょっと詳しい話を聞かせてもらえるかい?
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