第18回 『それぞれの学校事情。(高校編)』

「逆に聞きたいんだけどさ、逆に兄ちゃんや姉ちゃんが通う高校ってどんな感じなのさ?」
「私たちの学校?」
「逆にお兄ちゃん、あんまり学校のお話を逆にしないから」
「もうさ、何が逆なのかよく分からないけど、そうなんだ」
「そうそう、自分から学校の話なんて全然しないから」
「たまに、お姉ちゃんの話するくらいだよね?」
「だよな」
(えっと、それは……嬉しいかも)
「だからさ、どんな感じか知りたいかもって」
「興味深々なの」
「どんな感じって、難しい質問だね……」
「一応、この辺で一番古い高校だって話だけど」
「古いって、どれくらい?」
「えっとね、来年で90年とか言ってた気がするよ」
「すっげぇ、おジイちゃんなんだな」
「私はおバアちゃんだと思うけど」
「私には学校が男性なのか女性なのかよくわからないかな」
「後はね、ちょっと生徒が多くて全体で800人近く生徒がいるかな」
「すっげぇ」
「多いね」
「それには理由があるんだよ。二人とも部活――クラブ活動って分かる?」
「知ってる。野球部とかサッカー部とかでしょ?」
「アマチュア無線部にカルタ部なの」
「マ、マニアックだなぁ。よく知ってるね、雫ちゃん」
「にっしっし、雫は物知りだからな。サイショクケンビってやつ?」
「えっと、じゅ、淳くんこそ、やさしいしカッコイイと思うの」
「えっと、2人のおませに負けずに話を続けるとね、ウチの学校は、その中でも運動系の部活が強いことで有名みたい」
「強いって、宇宙一?」
「うーん、地球以外に部活動があるかどうかも分からないけど」
「日本一になる部活はたまにあるみたい。そういう部活に入りたくて遠くから通う人もいるんだって」
「おぉ~、だから人が多いんだ」
「お姉ちゃんは、何かクラブ活動してるの?」
「ううん。私は天河君と一緒で帰宅部」
「帰宅部?」
「どのクラブにも入ってないよーって意味だよ。帰宅は家に帰るって意味なの。すぐ家に帰るから帰宅部」
「じゃあ、オレも帰宅部だ」
「私も帰宅部」
「ふふっ、皆おそろいだね」
勇と千春が通うのは古くからある公立高校で、その生徒数は多めです。

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