第17回 『それぞれの学校事情。(小学校編)』

「ところでさ、2人が通ってる小学校って、どの辺りにあるの?」
「あれ?姉ちゃんも同じところに通ってたんじゃないの?」
「えっとね、淳くん。お姉ちゃんが住んでる場所で、ちがってくると思うの」
「おぉ、なるほど」
「えっとね、住んでる場所も違うかもしれないけど、小学校の頃はこの町にいなかったから」
「そうなの?」
「うん、中学校に入学するタイミングで、今の場所に引っ越してきたから」
「中学校は……兄ちゃんと一緒だっけ?」
「お兄ちゃんと、中学校から友だちだって話だもんね」
「うん、そうだよ」
「オレたちが通ってるのは、その近くにある杜塚小学校っていうところ」
「お兄ちゃんも、通ってたの」
「そうなんだ。中学校の近くってことは、私たちが通う高校とは方向が違う感じ?」
「うん。おうちから見て反対側にあるの」
「歩いて15分くらい」
「それは近いね」
「んー、普通だと思うけど」
「普通だよね」
「もっと、遠くから来てるヤツもクラスにいるしさ。
斉藤くんとか30分かかるって言ってたし」
「チョー遠いよね」
「だからさ、お腹がすくから、いっつも給食おかわりするんだよな。斉藤くん」
「この前ね、3回おかわりして昼休みに具合が悪くなってたの」
「あ、うん、謎の斉藤君情報を聞かせてくれてありがとう」
「でもね、お姉ちゃんの住んでた場所では、歩いて15分は近いほうだよ」
「姉ちゃんさ、15分で近いって、どんな場所に住んでたのさ」
「えっとね、自然がいっぱいで広ーいところ」
「お姉ちゃんは、学校までどれくらい歩いてたの?」
「50分くらい」
「うわぁ……」
「早起きしなくちゃダメなの」
「通学時間もだけど、クラスメイトの数も2人とはかなり違うと思うよ」
「それってさ、少なかったってこと?」
「正解。学校全部で100人くらいだったかな」
「えっと、オレたちの学校は、30人のクラスが3つあるから……」
「500人以上かな」
「全然違うの」
「うん、中学校に来た時は少しビックリしたよ」
「オレたちは、これが普通だと思うけどな」
「逆に、私たちがお姉ちゃんの小学校に行ったら、ビックリしそうだね」
淳と雫は自宅近くにある公立小学校に通っています。
人口の多い街ですので、必然的に通っている児童の数も多いようです。

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